ご当地うどん(東日本編) 

うどんはそばと同様、江戸時代から日本人に愛されてきた馴染み深い食材。日本各地には、その土地の歴史や特産品に由来した伝統的なご当地うどんが数多く伝えられている。また、うどんには個性的なものも多い。その土地の素材を活かし、風土に合わせたうどん料理として食生活に浸透しているのである。その一部を紹介する。

■冷麺(岩手県)
岩手の名産品。うどんとは異なりますが...
北緯40度 いわて盛岡冷麺
(株)戸田久
【原材料】 小麦粉、澱粉、食塩、酒精
【価格】 160g×2:\
昭和23、戸田久商店として、製粉・製麺業として創業。
■稲庭うどん(秋田県)
日本三大麺の1つである「稲庭うどん」で有名な稲庭の里。稲庭ブランドの麺は、生麺乾麺を問わず油を使わないのが特徴。うどんの他、冷麦、そうめんも。しかもその多くは手延べ生産されている。手延べ麺は細く長く延びるように油を使って作るのだが、この稲庭の麺は小麦粉と塩水のみで作られる貴重なもの。贈答品としても名高い。小麦粉と水を約半日、手で練りつづけ、一昼夜かけて熟成させる。現在でも全工程を手作業で行う昔ながらの製法で作られている。作業工程上加水量が50%以上あること、油を使わないことなど、伝統的な製法を受け継いでいる。生地を素麺のように引っ張って伸ばしつつ、さらに熟成させることで、つるりとしたのど越しの麺が生まれる。太さはうどんと素麺の中間、日本農林規格ではかろうじてうどんに分類されるが、ほとんど素麺のよう。
稲庭手造り饂飩 かんざし
後文
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 200g:\294
大正13(1924)年創業の製麺所。うどんには最適の中力粉と、地下100mからの湧き水をミネラル豊富な「いそ塩」で調整した塩水を使用して、昔ながらの手延べ製法で作られたうどん。通常約2mほどに延ばし竿に干し乾燥させるが、このとき竿にかかり曲がった部分のことを、「切上」通称「かんざし」と言う。
稲庭饂飩 一年熟成
(株)無限堂
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 80g:\
稲庭饂飩
稲庭うどん小川商店
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 200g:\
稲庭饂飩
(有)ほりえ
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 90g:\210
つゆ付き。秋田では定番の老舗・浅利佐助商店のもので、化学調味料無添加、鰹節・昆布のほかに比内地鶏のガラでダシを取っている。
(深みのあるコクと味が比内地鶏の旨さです。:ドラッグストアマツダ)
■麦きり(山形県)
太めで丸みのある麺。冷やしてつゆで食べる。材料はうどんと同じだが、地元ではうどんは乾麺、麦きりは自家製の手打ちと区別。
■水沢うどん(群馬県)
群馬県は、小麦の生産量が本州ではトップである。上州榛名山麓の水沢で400余年の歴史を持つ手打ちうどん。平安時代に建立された水沢観音の参拝客に振舞ったのが始まりで、伊香保温泉の治癒客や水沢観音の参拝客に親しまれていた。長年の勘を重視する昔ながらの製法を今も受け継ぎ、足踏みして切り出した麺を竹串にかけて天日で半乾燥させている。透きとおって柔らかいのに独特の強いコシで、ざるうどんで味わうのに適している。
■館林うどん(群馬県)
水沢うどんの陰に隠れているが、その実力は高い。館林のうどん屋さん40軒くらいが「麺のまちうどんの里、館林」としてパンフレットも作成し普及につとめている。花山うどんの花やまと館林うどんの本丸。
左記は(株)館林うどんの製品。
玉蘭
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 100g×3:\298程度
■桐生うどん(群馬県)
群馬県は、小麦の生産量が本州ではトップで、その中でも赤城山の南の地方は特に質もいいとされるが、その赤城山の麓が織物の町・桐生市である。良質な小麦粉と清流と誉れ高い桐生川の水で作られている。ふっくらとしていながらコシの強い麺が特徴。市内にはうどん屋さんが多く「桐生うどん会」まで設立されている。
■耳うどん(栃木県)
野州佐野在葛生町仙波に昔から伝わる正月料理。小麦粉をうどんの要領でのばし、生地を薄く延ばしてから長方形に切り分け片側をたたんでつまみ耳状にする。これを鬼の耳になぞらえ、お正月に食べてしまえば、一年間悪いことが聞こえないとのいわれがある。汁の工夫でいろいろな食べ方が楽しめる。
■けんちんうどん(茨城県)
けんちん汁は、茨城県の郷土料理のひとつ。その具沢山の汁にうどんを加えたのがけんちんうどんです。
■芋うどん(埼玉県)
舟運亭 (有)戸田製麺
江戸時代には、そうめん造りが盛んで、夏が近付くと街の南東を流れる新河岸川の舟運により「川越そうめん」は、江戸へのぼり将軍家へ献上され、藩の代表的産物になっていたそうだ。
武州川越地方に古くから伝わる製麺技術を受け継ぎ、更に磨きをかけ「川越十七万石うどん」「そうめん」に、川越特産の「さつま芋」を加え、それぞれの味を大切に滑らかな口当たり・腰・素材で麺本来の味を生かし創り上げたとのこと。町方民具・武具・小村雪岱の下絵等展示した民俗資料館(むかし館)併設。駐車場有り。
【住所】川越市西小仙波町1-7-19 【電話番号】049-222-1311
【営業時間】10:00〜18:00 日・祭:10:00〜17:00 【定休日】水曜日
取扱品:麺類、製造販売 (川越十七万石饂飩、よもぎうどん、川越元祖うどん、芋そうめん、芋そば)
JR川越駅構内のBELLで購入。(2008/9)
元祖芋うどん
舟運亭 (有)戸田製麺
【原材料】 小麦粉、さつま芋、食塩
【価格】 200g:\220

■加須うどん(埼玉県)
加須では昔から、稲の裏作として小麦を栽培しており、『手打ちうどんのまち』として広く知られている。加須うどんの特徴は、短いゆで時間ゆえの小麦の香りと風味、そして、粉に多めの水を加えたことによる、つるりとした口あたりとのど越しだそうです。平成2年に「うどんの町」を宣言し設立した「加須手打ちうどん会」には、現在33店舗が加盟している。
■鍋焼きうどん(東京都)
東京では、幕末から明治維新にかけて "うどん焼き" が新しい感覚のうどんとして出てきて、そして、一般庶民の食べ物として鍋焼きうどんが大流行したようです。
■武蔵野うどん(東京都)
東村山市は武蔵野うどんの名店が数多くある事で知られている。その中でも「きくや」というお店が有名で、支店もあるそうだ。
■ほうとう(山梨県)
米のあまりとれない甲州ではほうとうは日常食だった。1〜2cm幅の平たいうどんをカボチャ、キノコ、ニンジン、サトイモなどたくさんの季節の野菜と共に味噌味で煮込む。武田信玄の軍勢が合戦時に食べたのが由来で、戦場で素早く栄養補給し、体を芯から温めることを目的として考案されたという。
小作」で食したことがあります。
■名泉うどん(山梨県)
忍野八海には、試食無料のそば・うどん屋さんがいくつかあり、左記は「名泉そば」(南都留郡忍野村忍草247)。店内で、そばとうどんの箱詰め販売をしている。
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 g:\1000
■吉田うどん(山梨県)
■富士吉田の郷土食「吉田うどん」
富士吉田市は標高750m前後の富士山麓の町です。名物の「手打ちうどん」は、高冷地のため稲作には適さない厳しい自然環境の中で、古くから人々の間で伝えられてきた、富士吉田の代表的な食文化と言えるでしょう。また、日頃の食事にはもちろん、祝儀、不祝儀などの時に必ずうどんを食べて終わりにするのが”うどん”好きの富士吉田の土地柄ではあるそうです。市内には”うどん屋”さんが49軒ほどあり、富士五湖まで範囲を広げると「吉田うどん」の流れを汲む店が60軒ほどあるとのこと。富士山の天然ミネラル豊富な水は、味も良く冷たいため、腰のある麺が打てるのです。特徴の一つに、茹でたキャベツが載っている事です。キャベツはビタミンUが多く含まれているので、消化促進させる効能があり、コシがあり硬いうどんとキャベツを一緒に食べる事は、利にかなっています。「吉田うどん」を初めて食べる人は、「かけうどん」を頼むのが無難です。麺が固いので”冷”が付く品は、リピータになってからの方が良いでしょう。他有名店を紹介しておくと、観光客にも人気があるのは、「はなや」、「白須うどん」、「桜井うどん」など。地元で人気があるのは、「美也樹うどん」、「みうらうどん」、「たけ川」など。皆さんも是非食べてみてください。
みうらうどん
【原材料】 小麦粉、食塩、酒精
【価格】 300g:\180程度
吉田のうどんである。地元でも人気のある有名店の生めんです。
渡辺手打ちうどん」で食したことがあります。
生うどん
渡辺製麺所:山梨県富士吉田市旭3-1-2
吉田のうどんである。コシがあって美味かったです。

【原材料】 小麦粉、プロビレングリコール(保存料)、酒精、塩
【価格】 350g:\300
(富士吉田名物!吉田のうどん:富士急百貨店)
渡辺手打ちうどん」で食したことがあります。
■おしぼりうどん(長野県)
「絞り汁うどん」というもので、信州特産の「地大根」のおろしを、布巾で絞った汁に、信州味噌で味付けして、花鰹と薬味のきざみ葱を加えて、釜上げや冷やしうどんを食べるうどん。辛さのきつい大根の絞り汁が最高とされていたようである。
■ぶちこみうどん(長野県)
甲州で「ほうとう」、上州で「おきりこみ」と呼ばれている、野菜や茸を入れて味噌味で煮込んだうどんのこと
■ローメン(長野県)
うどんではありませんが、興味深いので紹介を。ローメンとは、伊那地方の名物麺料理。蒸した麺にマトン又は豚肉、キャベツなどを混ぜ合わせて調理した、やきそばでもなく、スパゲッティーでもない麺料理である。スープ風とやきそば風があり、またそれぞれのお店独自の工夫もあるそうだ。
■氷見のうどん(富山県
富山県はかなりの麺王国。蕎麦、ラーメン、大門素麺、そしてこの氷見のうどんとある。手延うどんの代表格、稲庭うどんと同様、油を塗らない製法で作られている。江戸時代から作られている半乾燥の手延べうどんで、加賀藩に献上されてきた逸品。コシを強くするため小麦粉を塩水で練った塊を手で伸ばし、デンプンのしっとりした旨みと伸びの強さが特長。なお高岡屋の手延べうどんは「糸うどん」と呼ばれている。また「氷見うどん」は海津屋の登録商標になっている。高岡屋と海津屋の他、あけぼの庵が有名。
高岡屋 氷見糸うどん
宝暦元(1751)年、初代高岡屋弥三右衛門が輪島そうめんの製法を取り入れて始めたのがルーツとされている。
氷見乃匠うどん 細麺
氷見山海珍味(有)
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 200g:\
富山県食品研究所様の協力を得て喧々諤々(けんけんがくがく)と3年間の研究の末、共同制作した「匠」にふさわしい味。国内産小麦の味とモチモチ感を活かしながら、豪州産小麦のコシとプッツリ感をバランスよくブレンドして名水取水地の庄川水系の地下水を配合した 「匠」の名にふさわしい味、コシとも最高の商品とのこと。(2008/4)
氷見うどん 細めん
氷見うどん海津屋
【原材料】 小麦粉、食塩、でんぷん
【価格】 200g:\