ご当地うどん(西日本編)
うどんはそばと同様、江戸時代から日本人に愛されてきた馴染み深い食材。日本各地には、その土地の歴史や特産品に由来した伝統的なご当地うどんが数多く伝えられている。また、うどんには個性的なものも多い。その土地の素材を活かし、風土に合わせたうどん料理として食生活に浸透しているのである。その一部を紹介する。
■味噌煮込うどん(愛知県) ![]() |
|
![]() |
鰹節・雑節の濃いだしに、豆みそ(赤味噌)を使った濃厚なスープと、歯ごたえのある麺が特徴。麺は、塩を使わず、小麦と真水で練り込み、コシがでるように打たれている。大須観音に山本屋が店を開き広まっていく。 |
■伊勢うどん(三重県) ![]() |
|
![]() |
伊勢市とその周辺の限られた地域の日常食。普通のうどんの2倍ほどある極太麺をふやけさせるまで茹で、たまり醤油で作った濃厚なタレを絡ませて食べる。醤油につけた柔らかいうどんといった感じ。モチモチした軟らかさと芯のコシが特徴。あまり具を乗せないのも特徴。 |
■のっぺいうどん(滋賀県) | |
![]() |
湖北。長浜の郷土料理。雪の多いこの地方には体を温める食べ物として昔から“のっぺい”つまりとろみのあるご馳走の「のっぺいうどん」があった。とろみをつけることで冷めにくく、またつゆが麺に絡みやすいのである。今ではしいたけや麩などを入れて食べられている。 |
■きつねうどん(大阪府) ![]() |
|
![]() |
揚げとダシにコダワリがあるうどん。一般庶民の食べ物として定着した明治時代に大阪で発祥したのである。南船場の「松葉家本舗」がきつねうどん発祥の店である。 |
■揖保乃糸(兵庫県) | ||||||
|
■播州饂飩(兵庫県) | ||||||
左記は、カネス製麺(株)
|
■鴨方のうどん(岡山県) | ||||||||||||
備中鴨方は江戸時代からの名産地である。 | ||||||||||||
左記は、かも川手延素麺(株)
|
■讃岐うどん(香川県) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
■たらいうどん(徳島県) ![]() |
|
![]() |
徳島県土成町宮川内に伝わる「たらいうどん」。すし飯などを混ぜたりする時に使う「飯盆(たらい)」に入った麺をダシにつけて食べる、釜上げうどんのようなもの。国道318号線を香川県に向かって北上すると、道沿いに「たらいうどん」の店が林立しているそうだ。江戸末期に宮川内谷のきこりが河原にかまどを築きうどんをゆで、川魚でだしをとり食べたのがルーツとされる。7軒の水車粉屋があったそうで1913年、当時の土居通次徳島県知事が視察に訪れ、たらいうどんと名付けたとされる。だしは、じんぞく(ハゼ科の川魚:ゴリ)が用いられていた。 |
■和ぁさんのおうどん(徳島県) ![]() |
|
美馬市脇町にあるセルフうどん「和ぁさん」のおうどん。無添加自店舗パック。コシがあり非常に美味かった。讃岐出身の祖父の手打ちうどんを再現とのこと。嬉しいことにサービスでだし醤油がついていたので、ぶっかけにして美味しく食した。(2007/2) |
■博多うどん(福岡県) ![]() |
|
![]() |
ラーメンの陰に隠れているが、福岡県は小麦の生産地だけあり、かなりのうどん処でもある。うどんは禅僧によって中国から伝来したと言われ、市内のお寺には「うどん発祥の地」の碑まで建っているそうだ。 |
■五島うどん(長崎県) ![]() |
||||||
手延うどんの総称で上五島町では「船崎うどん」、有川町では「有川うどん」と呼ばれる。うどんの原料は中力粉がほとんどだが、「五島うどん」は強力粉を使用する。地元特産の椿油を使用するのも特徴。これを「あご(トビウオ)」のだし汁で味わうのである。パスタや中華麺に似ていて、焼きうどん、ジャージャー麺、鍋煮込みにも向く。 | ||||||
左記は、(有)浜崎製麺所の「手延饂飩 海水仕込み」
|
■島原手延べ麺(長崎県) | |||||||||
日本四大素麺地。島原の乱後、香川県小豆島より移り住んだ人たちから伝えられたといわれている。温暖で乾燥した気候と豊かな名水、良質の小麦に恵まれたこの地は、現在では全国2位の生産量(約30%)を誇る素麺産地になっている。 | |||||||||
|
■神崎うどん(佐賀県) | |
![]() |
ヤクルトからも「神崎うどん」というブランド名で発売されているが、ここ佐賀県神埼は国内有数の麺の産地。特に「神崎そうめん」が有名。 |
■団子汁(別名ほうちょう)(大分県) ![]() |
|
![]() |
大分の郷土料理。うどん粉を練って寝かせた親指大くらいの玉を手できしめんのようにのばし、里芋や人参などの野菜が入った味噌仕立ての汁に入れる煮込み汁。戦国時代の大友宗麟が起源とも言う。具材や別名から甲州の「ほうとう」とも関係があるのだろうか。また、のばしたものを、きな粉でまぶしたものを。「やせうま」と言い、これも郷土のお菓子である。 |
■宮崎うどん(宮崎県) | |
![]() |
宮崎はかなりのうどん処である。「吉長うどん」「百才豊吉うどん」「重乃井」など有名店がある。 |