ご当地うどん(西日本編) 

うどんはそばと同様、江戸時代から日本人に愛されてきた馴染み深い食材。日本各地には、その土地の歴史や特産品に由来した伝統的なご当地うどんが数多く伝えられている。また、うどんには個性的なものも多い。その土地の素材を活かし、風土に合わせたうどん料理として食生活に浸透しているのである。その一部を紹介する。

■味噌煮込うどん(愛知県)
鰹節・雑節の濃いだしに、豆みそ(赤味噌)を使った濃厚なスープと、歯ごたえのある麺が特徴。麺は、塩を使わず、小麦と真水で練り込み、コシがでるように打たれている。大須観音に山本屋が店を開き広まっていく。
■きしめん(愛知県)

普通のうどんより幅広で硬め。中部地方特産のたまり醤油や味噌の味を付けて煮込むのに適している。きしめんの由来は、紀州めん、雉子肉が具として入っていたから「雉子めん」、中国の「碁子めん」と様々だが、これと言った諸説はないようだ。うどんと同じように小麦粉、塩、水が原料だが、通常よりも塩の量が多いのが特徴。
左記は、(株)なごやきしめん亭()の乾麺である。

伝承麺 極 きしめん 名古屋コーチン きしめん
【原材料】 小麦粉、食塩 【原材料】 めん(小麦粉、食塩)
【価格】 360g:\100程度 【価格】 めん(80g):\140程度
左記は、(株)和泉そうめん丈山の里()の半生タイプの手延べきしめんなどである。

一丈きしめん
【原材料】 小麦粉、食塩、植物油
■伊勢うどん(三重県)
伊勢市とその周辺の限られた地域の日常食。普通のうどんの2倍ほどある極太麺をふやけさせるまで茹で、たまり醤油で作った濃厚なタレを絡ませて食べる。醤油につけた柔らかいうどんといった感じ。モチモチした軟らかさと芯のコシが特徴。あまり具を乗せないのも特徴。
■のっぺいうどん(滋賀県)
湖北。長浜の郷土料理。雪の多いこの地方には体を温める食べ物として昔から“のっぺい”つまりとろみのあるご馳走の「のっぺいうどん」があった。とろみをつけることで冷めにくく、またつゆが麺に絡みやすいのである。今ではしいたけや麩などを入れて食べられている。
■きつねうどん(大阪府)
揚げとダシにコダワリがあるうどん。一般庶民の食べ物として定着した明治時代に大阪で発祥したのである。南船場の「松葉家本舗」がきつねうどん発祥の店である。
■揖保乃糸(兵庫県)
 
手延べうどん 聖 兵庫県手延素麺協同組合
【原材料】 小麦粉、食塩、食用植物油、炭酸カルシウム
【価格】 300g:\280程度
■播州饂飩(兵庫県)
 
左記は、カネス製麺(株)
播磨王 内麦うどん
【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 300g:\130程度
■鴨方のうどん(岡山県)
備中鴨方は江戸時代からの名産地である。
左記は、かも川手延素麺(株)
かも手 手延べざるうどん
【原材料】 小麦粉、澱粉、食塩、食用植物油
【価格】 200g:\150程度
かも川 うどん
【原材料】 小麦粉、食塩、食用植物油、澱粉
【価格】 200g:\150程度
讃岐うどん(香川県)
麺通団プレシャスうどん
(株)麺通団プロダクト&マネジメント
麺通団の半生うどん。(2011/2)
【原材料】 小麦粉、澱粉、食塩、酒精
さぬきうどんの聖地・香川県を舞台に、うどん屋の息子が愛すべき仲間たちと共に巻き起こす騒動が、彼とうどんを取り巻く人々の心を動かすハートウォーミング・ムービー。
UDON(うどん)
メーカー ポニー
公開・放映情報 2006年フジテレビ・東宝134分

(麺通団さぬきうどん:麺通団Shop)
超麺通団3。映画UDONの中でも、ユースケ・サンタマリア率いる「麺通団」が活躍しますが、本家はもちろん、こっちの麺通団。讃岐うどんの基礎が学べる、お出かけ前の讃岐うどん詰め込み教育コーナーも入っいる。
麺通団のさぬきうどんのめぐり方
著者:田尾和俊
出版社:西日本出版社
発行年月: 2006年8月
本体価格:980円
楽天ブックスで購入する
(麺通団さぬきうどん:麺通団Shop)
いま食べられるもっとも旨い店セレクション。注目のニューオープン店ぞくぞく。今、はやりのうどんを徹底的に味わう一冊。
首都圏&讃岐のうどんの名店150軒
著者:はんつ遠藤
出版社:駿河台出版社
発行年月: 2006年9月
本体価格: 1,575円
楽天ブックスで購入する
神奈川県内では「湘喜(茅ヶ崎)」「平沼田中屋(横浜)」「笑門(相模原)」「さぬき屋(鴨居)」「赤とら(横須賀)」「敬亭山(湘南深沢)」「綾(宮前平)」「げた屋(たまプラーザ)」「讃州(大磯)」「うどんカフェ(横浜)」「こんぴら(横浜)」が紹介されていた。

生粋の純生讃岐うどん
(株)紀州屋
明治45年創業。(2009/2)
【原材料】 小麦粉、食塩、エタノール、酸味料
【価格】 300g:\350程度
元禄 七兵衛饂飩
(株)井筒屋
元禄五年創業。油を使わない手延べ麺。(2006/4)
元禄 七兵衛饂飩
【原材料】 小麦粉、食塩(伯方の塩)、うるち米
【価格】 200g:\150程度
西国さぬきの麺
(株)マルキン
昭和56年創業以来、讃岐豊浜の地で、「味のマルキン」として、総合食品製造業として拡大している会社。また、平成10年、アンテナショップ「さぬき萬城屋」を開業している。本格的なだし醤油付きが嬉しい。
はなまるうどん」(藤沢)、「湘南さぬきうどん」(平塚)「さぬきや」(山梨) で食したことあり。
ふだん着の讃岐 生うどん
サンヨーフーズ(株)
1963年創業の香川の麺業メーカー。「讃岐うどん坊」というブランドを展開している。

【原材料】 小麦粉、食塩、酸味料、酒精
【価格】 220g:\98程度
(他社製品ですが)
はなまるうどん」(藤沢)、「湘南さぬきうどん」(平塚)「さぬきや」(山梨) で食したことあり。
本場の麺 讃岐うどん(左)
(株)讃岐物産

【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 300g:\
本場 讃岐うどん(右)
明星食品(株)

【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 300g:\100程度
包丁切り 讃岐ざるうどん
(株)富田屋:高松市
讃岐うどん
長井食品(株):小豆郡土庄町

【原材料】 小麦粉、でん粉、食塩
【価格】 200g:\178

【原材料】 小麦粉、食塩
【価格】 270g:\
鴨南蛮うどん
(株)うす家
さぬき・小豆島の手延うどんです。作り方は非常に簡単。鍋に入れて加熱すればOK。他にカレーうどんがあります。鴨肉が美味いのですが2かけらしか入っていないのが残念。
【手延と手打】
手打はのばした生地を包丁で切っていきますが、手延は包丁を使わずに作るため、技術と手間がかかり、更にコシもある。「箸分け」という職人の技で生まれ、シコシコした歯応えとねじれた麺が特徴です。
石丸製麺(株)
明治37年創業。手打ち式うどんの乾麺化技術を確立し、手打ち製法の乾麺では全国80%のシェアを誇る。
鍋にそのまま半生うどん
低塩仕上げなので、下ゆでせずに鍋でそのまま煮込める鍋用半生うどん。煮崩れしにくく、食べ応えのある麺に仕上げたそうだ。(2009/1)
包丁切りひやむぎ
多加水で練り、じっくりと麺生地を鍛えて作り上げた新感覚のひやむぎ。(2009/1)
■たらいうどん(徳島県)
徳島県土成町宮川内に伝わる「たらいうどん」。すし飯などを混ぜたりする時に使う「飯盆(たらい)」に入った麺をダシにつけて食べる、釜上げうどんのようなもの。国道318号線を香川県に向かって北上すると、道沿いに「たらいうどん」の店が林立しているそうだ。江戸末期に宮川内谷のきこりが河原にかまどを築きうどんをゆで、川魚でだしをとり食べたのがルーツとされる。7軒の水車粉屋があったそうで1913年、当時の土居通次徳島県知事が視察に訪れ、たらいうどんと名付けたとされる。だしは、じんぞく(ハゼ科の川魚:ゴリ)が用いられていた。
和ぁさんのおうどん(徳島県)
美馬市脇町にあるセルフうどん「和ぁさん」のおうどん。無添加自店舗パック。コシがあり非常に美味かった。讃岐出身の祖父の手打ちうどんを再現とのこと。嬉しいことにサービスでだし醤油がついていたので、ぶっかけにして美味しく食した。(2007/2)
■博多うどん(福岡県)
ラーメンの陰に隠れているが、福岡県は小麦の生産地だけあり、かなりのうどん処でもある。うどんは禅僧によって中国から伝来したと言われ、市内のお寺には「うどん発祥の地」の碑まで建っているそうだ。
■五島うどん(長崎県)
手延うどんの総称で上五島町では「船崎うどん」、有川町では「有川うどん」と呼ばれる。うどんの原料は中力粉がほとんどだが、「五島うどん」は強力粉を使用する。地元特産の椿油を使用するのも特徴。これを「あご(トビウオ)」のだし汁で味わうのである。パスタや中華麺に似ていて、焼きうどん、ジャージャー麺、鍋煮込みにも向く。
左記は、(有)浜崎製麺所の「手延饂飩 海水仕込み」
手延饂飩 海水仕込み
【原材料】 小麦粉、海水(五島灘紫外線殺菌水)、食用植物油
【価格】 300g:\420
■島原手延べ麺(長崎県)
日本四大素麺地。島原の乱後、香川県小豆島より移り住んだ人たちから伝えられたといわれている。温暖で乾燥した気候と豊かな名水、良質の小麦に恵まれたこの地は、現在では全国2位の生産量(約30%)を誇る素麺産地になっている。
たなか物産:南島原市西有家町須川2833-1
【原材料】 小麦粉、食塩、食用植物油
【価格】 250g:\

(他社ですが...)
■神崎うどん(佐賀県)
ヤクルトからも「神崎うどん」というブランド名で発売されているが、ここ佐賀県神埼は国内有数の麺の産地。特に「神崎そうめん」が有名。
■団子汁(別名ほうちょう)(大分県)
大分の郷土料理。うどん粉を練って寝かせた親指大くらいの玉を手できしめんのようにのばし、里芋や人参などの野菜が入った味噌仕立ての汁に入れる煮込み汁。戦国時代の大友宗麟が起源とも言う。具材や別名から甲州の「ほうとう」とも関係があるのだろうか。また、のばしたものを、きな粉でまぶしたものを。「やせうま」と言い、これも郷土のお菓子である。
■宮崎うどん(宮崎県)
宮崎はかなりのうどん処である。「吉長うどん」「百才豊吉うどん」「重乃井」など有名店がある。